年収100万円で生きるを読んだ

パッとタイトルを見た時に思い浮かんだのは、100万円で生きる方法のことなのかな、と思ったのだけど、中身は割とハードな貧困についての話だった。

ずっとフリーターでキャリアを構築できずに40代を迎えたワーキングプアの話、サラリーマンだったが中年以降にリストラされて貧困に陥った話。貧困女性の話。などなど。

実際に貧困が現在の日本ではマイノリティではないことは事実で、何かをきっかけに転落してしまうことはありうる。次の仕事も決めずに仕事を辞めた自分にはちょっと刺さる内容だった。仕事が見つからなければ遅かれ早かれ貧困状態になる。

正直、個別の貧困にエピソードについては共感できないことが多く、ところどころでてくる著者の思想に共感できない部分が結構あったのだけど、最後の自己責任国家に生まれてという章を読んでようやく腑に落ちた。章のタイトルは過剰な言葉選びな気がするが、貧困家庭に生まれた著者の生い立ちと苦労話。

確かに貧困は、本人の努力よりも生まれ持った環境や能力、健康的な問題などの特権的な問題が大きく一度陥ってしまうと抜け出すのが難しい。

呑気に無職しようかなーと思っていた自分にちょっと真剣に働こうかな、と思わせてくれたのでよかった。